へいあんオフィシャルブログ メモリアル・ノート
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葬儀

福祉葬の疑問を解決!条件・内容・申請手続き・マナーについて

合掌する女性

公開日:2023年6月5日

ご葬儀を行なうには、祭壇や棺などの費用、参列者へふるまう料理の費用などが必要です。
経済的に厳しい方は「葬儀をするのは難しいかな?」とお考えになるかもしれません。

そのような方にご検討いただきたいご葬儀の方法が「福祉葬」です。
当記事では福祉葬を行なうための条件、福祉葬の内容、申請手続き、服装などのマナーについて解説します。
ご葬儀費用でお悩みの方のお役に立てば幸いです。
 

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福祉葬とは?福祉葬を行なうための条件は?

それではまず、福祉葬がどのようなご葬儀なのか解説します。
福祉葬を行なうための条件についても確認しておきましょう。

福祉葬とは自治体からの葬祭扶助を受け行なうご葬儀

役所関係

福祉葬とは、自治体の葬祭扶助(補助金)を利用して行なうご葬儀です。
「民生葬」や「生活保護葬」とも呼ばれ、ご葬儀費用は自治体から葬儀社へ支払われます
福祉葬は生活保護法・第18条「葬祭扶助」に基づき行なわれますが、一般的なご葬儀と違って内容には制限が設けられており、以下の範囲内で行なわれます。

“第十八条 葬祭扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。
一 検案
二 死体の運搬
三 火葬又は埋葬
四 納骨その他葬祭のために必要なもの

2 左に掲げる場合において、その葬祭を行う者があるときは、その者に対して、前項各号の葬祭扶助を行うことができる。
一 被保護者が死亡した場合において、その者の葬祭を行う扶養義務者がないとき。
二 死者に対しその葬祭を行う扶養義務者がない場合において、その遺留した金品で、葬祭を行うに必要な費用を満たすことのできないとき。“


出典:生活保護法(◆昭和25年05月04日法律第144号

以上のように、葬祭扶助の対象となるのはご遺骨を骨壷に納めるところまでであり、火葬後のお墓などへの納骨は対象になりません。

なお、厚生労働省によると葬祭扶助の上限金額は次の通りです。

・大人:212,000円
・小人:169,600円

出典:生活保護法による保護の基準(◆昭和38年04月01日厚生省告示第158号)

ただし、自治体によって支給される金額に差があるほか、物価の変動により上限金額が変更される可能性もあります。

上記の金額は、あくまで参考としてご確認ください。

福祉葬を行なうための条件について

生活保護申請書

福祉葬を行なうための条件は、故人様が生活保護受給者であることです。
故人様の貯金などでご葬儀費用をまかなえる場合や、ご親族に支払い能力のある方がいらっしゃる場合は、葬祭扶助が認められないことがあります。

喪主が生活保護受給者であると葬祭扶助が認められる自治体もありますが、認められない自治体もあります。この辺りは自治体によって差があるため、お住まいの地域での条件を事前にご確認ください。
 

一般的な福祉葬の流れ・内容

ろうそく

福祉葬の流れは、以下の2パターンです。

火葬式のみ

遺体の搬送

遺体の安置

出棺

火葬

 

読経あり

お通夜

葬儀・告別式

出棺

火葬

自治体によって「どこまで葬祭扶助が支給されるか」という点が異なり、火葬のみしか認めらない自治体もあれば、お通夜、葬儀・告別式、火葬、読経までを認める自治体もあります。
詳しくは葬儀社へお問い合わせいただくと良いでしょう。
 

福祉葬の申請手続き

市役所

福祉葬を希望される方は、まずご葬儀の前にお住いの自治体(市役所の福祉課や福祉事務所のケースワーカー)へ「福祉葬を希望する」旨を伝えましょう。
基本的に故人様のご親族や同居人が申請を行ないますが、故人様に身寄りがない場合は、後見人が申請を行なうこともあります。
申請者は自治体指定の書類に次の点を記入して、必ず火葬の前には提出してください。

・故人様と申請者の個人情報
・故人様と申請者の経済状況
※火葬後に書類を提出すると、「葬儀費用を立て替えられた = 葬儀費用の支払い能力がある」と判断され、申請が受理されないことがあります。

申請後、各自治体で審査が行なわれ、審査に通ると葬祭扶助の支給が認められます。
ただし、故人様の貯金が見つかったり、申請者以外のご親族にご葬儀の支払い能力があることが分かった場合は、葬祭扶助の支給が認められないことがあります。
また、ご親族が費用を足してご葬儀を豪華にすると、支払い能力があるとみなされ、葬祭扶助の支払いが認められない場合もあります。
 

福祉葬での服装は準喪服が望ましい

福祉葬での服装は、一般的なご葬儀と同じです。
準喪服の着用が望ましいとされるため、男性はブラックのスーツ、女性もブラックのフォーマルスーツを着用しましょう。
略式喪服(黒基調のスーツ・ワンピース・アンサンブル)でも構いません。

【関連記事】
『ご葬儀での服装をご遺族側・喪主側にわけて解説!身だしなみのマナーもご紹介』

 

福祉葬での御香典の受け取りは問題ない

福祉葬を行なう場合、「ご葬儀費用の支払いが難しい」という理由で葬祭扶助を受けるため、「御香典を受け取ってはいけないのでは?」とお考えになる方がいらっしゃいます。
しかし、福祉葬での御香典の受け取りは問題ありません。また、御香典を受け取ったことを自治体に申告する必要もありません。
御香典は「収入認定外」として扱われるため、収入とはみなされないためです。また、御香典をいただいた場合は、「香典返し」を行なう必要があります。

【関連記事】
『当日返しとは?ご葬儀当日の香典返しについて解説!』

 

福祉葬の場合に納骨はどうなる?

先にご説明したように、葬祭扶助の対象は、ご遺骨を骨壷へ納めるところまでです。
そのため、納骨は葬祭扶助の対象になりません
納骨の方法には次の選択肢があるため、経済的な事情も考慮のうえ、ご選択ください。

【関連記事】
『納骨とは?納骨の時期・流れ・服装と御布施の相場について』

納骨堂

納骨堂とは、ご遺骨を収蔵する施設のことで、お墓の代わりに利用されます。
宗派を問わずご遺骨を預けられ、檀家になる必要もない納骨堂が多くあります。

【関連記事】
『納骨堂とは?メリット・デメリットと選ぶときの注意点』

永代供養

永代供養とは、ご遺族の代わりに霊園やご寺院が故人様を供養し、お墓を管理する方法です。
一連の管理を全てお任せできるうえ、お墓の管理を心配する必要がありません。
他の方のご遺骨を一緒にお祀りする「合祀墓」であれば、10万円~30万円で管理をお任せできます。
※費用はあくまで目安です。

【関連記事】
『永代供養をわかりやすく解説!メリット・デメリットは?』

散骨

散骨とは、ご遺骨を粉末にして山や海に撒くことです。
お墓が必要ないためご遺族の負担が少ないとされ、故人様が散骨を希望されることもあります。
一度お墓に納骨したご遺骨を散骨する場合は、手続きが必要となるためご注意ください。

【関連記事】
『【散骨のメリット・デメリット】方法や流れをご紹介』

ご遺族が管理する

ご遺族が、ご遺骨を手元に置いて管理しても問題ありません。
納骨の期限は定められていないため、ご自宅でご遺骨を管理することは違法にはなりません。
納骨先が決定するまではご遺族が管理されても良いでしょう。

ご遺骨の引き取り手がない場合は、「焼骨不要」や「遺骨保管」の手続きをすると、収骨の必要がないこともあります。
火葬場によって対応が異なりますので、詳しくは事前に葬儀社へお問い合わせください。

【関連記事】
『火葬許可証って何?火葬場での服装は?火葬の手続き・マナー』

 

まとめ

当記事では、福祉葬について解説しました。
故人様が生活保護受給者であった場合、福祉葬を申請すると自治体から葬祭扶助が支給されます。
喪主が生活保護受給者の場合も葬祭扶助が認められる自治体があるため、ご葬儀の費用でお困りの方は確認されることをおすすめします。

平安祭典でも福祉葬を承っておりますので、ご不明な点やお困りごとなどがございましたら、気兼ねなく(0120-00-3242)までご連絡ください。