へいあんオフィシャルブログ メモリアル・ノート
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お墓・供養

霊供膳はどう並べる?料理の盛り付け方・下げるタイミングは?

仏前料理

公開日:2023年7月3日

お盆やご法要などで仏壇に霊供膳をお供えするにあたり、「何をどうお供えすれば良いかわからない」「正しいお供えの方法を知りたい」という方もいらっしゃるでしょう。
今回は、霊供膳の料理の内容、盛り付け方や並べ方、その他の基本的なルールについて解説します。
 

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霊供膳とは仏壇にお供えするお膳

仏壇の仏前料理

霊供膳(れいぐぜん・りょうぐぜん)とは、仏教の一部の宗派で仏壇にお供えするお膳のことです。
仏前料理(ぶつぜんりょうり)、御霊供膳(おりょうぐぜん)、供養膳(くようぜん)、仏膳椀(ぶつぜんわん)とも呼ばれるほか、陰膳(かげぜん)という呼び方もあります。
陰膳とは、もともとは遠く離れた家族の無事を祈り、用意するお膳という意味合いでしたが、現在では主に故人様にお供えするお膳と認識されています。

霊供膳をお供えする理由は、故人様やご先祖を料理でもてなし、供養と感謝の気持ちを示すためで、お供えする料理の内容は、白飯と一汁三菜が基本です。
白飯や料理を盛った5つの椀に箸をそえ、台にのせて仏前にお供えします。一緒にお水やお茶もお供えすることが一般的です。

こういった食べ物や飲み物をお供えすることを飲食供養(おんじきくよう)といいます。

いつお供えする?提灯

霊供膳を毎日お供えできれば一番良いのですが、難しい場合もあるかと思います。
毎日お供えできない場合は、忌明け法要や年忌法要の際と、お盆、お彼岸、祥月命日(故人様が亡くなった月日)などにはお供えすると良いでしょう。
また、新たに仏壇を購入してご寺院に開眼供養をしていただく際も、霊供膳をお供えすることが一般的です。

下げるタイミングは?

お供えした霊供膳は食べ物が悪くなる前に下げます。
ずっと供えていると食べ物が傷んでしまうので、長時間そのままにしないよう気をつけてください。

故人様やご先祖は料理の香りや湯気を召し上がっているといわれています。そのため、「料理が冷めた時が召し上がり終えたタイミング」と考え、このタイミングで下げると良いでしょう。
下げる時は「お下げします」と言葉をかけます。お供えが済んだ後の料理は、家族でいただきましょう。これは、故人様やご先祖と食事の楽しみを分かち合うという意味があります。

遅くともその日のうちには下げるようにし、食べ物が傷んでしまって食べられない場合は、塩でお清めをし、手を合わせてから処分してください。
 

霊供膳の献立と盛り付け方

霊供膳の基本は、白飯と一汁三菜の精進料理です。
肉、魚、卵などは用いず、刺激が強い香味野菜である五辛(ごしん)も避けます。
五辛とは、5つの辛味がある野菜のことで、大蒜 (にんにく)、韮 (にら)、葱 (ねぎ)、辣韮 (らっきょう)、野蒜 (のびる)などです。
五辛は五葷(ごくん)とも呼ばれ、地域などによっては玉ねぎや生姜を指すこともあります。
仏教においては、五辛を食べると情欲・憤怒を増進すると考えられており、避けるべき食べ物とされています。
煮物や汁物に使う出汁にも、鰹節や煮干しなど動物性の食材は使わず、昆布や椎茸などを使用します。

ちなみに、各椀に盛り付ける内容は次の通りです。

親椀(おやわん)… 白米
汁椀(しるわん)… お味噌汁・お吸い物
平椀(ひらわん)… 煮物
壷椀(つぼわん)… 和え物
高坏(たかつき)… 香の物(漬物)

忌明けまでは白木の碗や台を使用し、忌明け以降は塗りの碗や台を使います。
故人様やご先祖に香りや湯気を味わっていただくため、蓋はすべて取った状態でお供えしましょう。

忌明けについては、『忌明けとは?忌明けにすること・準備やその後について』で詳しく解説しています。

また、故人様やご先祖に向けてお供えするため、箸は仏前に向けて置きます。
台に合わせ目がある場合は、合わせ目が手前にくるように置きましょう。
 

宗派による霊供膳の違いについて

霊供膳の椀の数や並べ方は、宗派によって異なります。
それぞれ一例をご紹介しますが、ご寺院や地域によって異なる場合もあります。
わからないことがあれば、ご寺院に詳細をご確認ください。

・ 臨済宗、曹洞宗、禅宗

お膳の左上に平椀、右上に高坏、中央に壷椀を配置します。

・ 天台宗、日蓮宗、真言宗

お膳の左上に平椀、右上に壷椀、中央に高杯を配置します。

・浄土宗

お膳の右上に平椀、左上に壷椀、中央に高杯を配置します。

・浄土真宗、日蓮正宗、本門佛立宗、創価学会
霊供膳はお供えしないことが多いようです。
ご寺院によっては仏飯のみお供えしたり、仏飯とお水やお茶をお供えしたりすることもあります。
 

霊供膳はどこで購入できる?

霊供膳を整えるために必要な器と料理について、それぞれの入手方法をご紹介します。

・ 器(椀・台・箸)

仏前料理の器

白木の器は、後飾り祭壇と一緒に葬儀社で購入できることが多いです。
塗りの器は仏具店での購入が一般的ですが、最近はネット通販などでも取り扱いがあります。
椀や台のサイズが複数ある場合は、お供えする仏壇に収まるものを選びましょう。
ご寺院によっては器の色が指定されていることもありますので、ご購入の際はご注意ください。

ご法要などで仕出し料理を注文する場合は、霊供膳を器つきで注文できるところもあるようです。(器はレンタルのため使用後に返却します)

・ 料理料理する女性のイラスト

ご自身で手作りできればそれが良いですし、調理済みのものを購入してもかまいません。
最近はスーパーやネット通販で、湯で戻すだけのフリーズドライのセットなども販売されています。
 

まとめ

今回は仏壇にお供えする霊供膳について詳しく解説しました。
霊供膳は故人様やご先祖に感謝と供養の気持ちを示すためのものであり、盛り付け方や並べ方は、宗派や、またご寺院や地域によっても異なります。
不安な点があれば、ご寺院にご確認のうえご準備いただくと安心です。
霊供膳を通して故人様やご先祖に心を込めたご供養ができるよう、当記事が少しでもお役に立てば幸いです。

平安祭典では、ご葬儀・ご供養に関する各種ご相談を承っています。
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