仏壇を処分する4つの方法・処分の流れと守るべき注意点は?
更新日 : 2024年9月14日 公開日:2022年11月7日
仏壇は、ご先祖や故人様を祀り日々のご供養をする場として、とても大切なものです。
とはいえ、「継承する人がいない」「引越し先に設置スペースがない」「買い替える」などの理由から、処分しなければならない場合があるでしょう。
当記事では、仏壇を処分する時に知っておくべき知識や注意点について解説します。
[@目次@]
仏壇処分の方法は4つ!メリット・デメリットを比較
仏壇を処分するには、以下の4つの方法があります。
それぞれにメリットとデメリットがありますので、よくご検討ください。
・ 仏壇・仏具店に依頼する
・ その他の専門業者に依頼する
・ 菩提寺・旦那寺に依頼する
・ 自治体に依頼する
それでは、4つの方法について詳しく見ていきましょう。
仏壇・仏具店に依頼する
仏壇・仏具店でも多くの場合、仏壇の処分に対応しています。
仏壇を扱う専門店ですので、処分の段取りや料金が明確になっていることがほとんどで、「スムーズに手続きができる」「安心感・納得感を持って依頼できる」といった点がメリットといえます。
費用は仏壇のサイズ、引き取り方法、搬送の距離などによりますが、20,000円~80,000円が相場です。
買い替えで新たに仏壇を購入することで、処分費用が安くなるところもあります。
その他の専門業者に依頼する
不用品回収やリサイクルの専門業者に依頼する方法もあります。
処分費用は数万円ほどのケースが多いようです。
業者によっては無料で処分できたり、買い取ってもらえたりすることもあります。
とはいえ業者の多くは閉眼供養に対応していないので、事前にご寺院に依頼し閉眼供養を済ませておきましょう。
専門業者を利用すると手間は少ないものの、他の回収品と一緒に雑に扱われる、時には不法投棄されてしまう、といったリスクもあるため、安心して任せられる業者を選ぶことが大切です。
菩提寺・旦那寺に依頼する
ご寺院によっては、仏壇の引き取りやご供養を行なっています。
閉眼供養から処分まであわせて依頼できれば安心でしょう。
ただ、近年は防災や環境への配慮という理由から仏壇処分(引き取りやお焚き上げ)を実施できない地域も多く、お断りされる場合がほとんどです。
菩提寺・旦那寺がある方は、仏壇の処分に対応していただけるかどうか、一度ご相談いただくことをおすすめします。
ご寺院に依頼する場合、費用は御布施の形でお渡します。
金額の明確な決まりがない場合が多く、相場は10,000円~100,000円ほどです。
ご自身で仏壇を持ち込むか、引き取りに来ていただくかによっても異なる場合がありますので、金額や引き取り方法については事前によくご確認ください。
自治体に依頼する
自治体の不用品回収に粗大ごみとして出すこともできます。
引き取り方法や費用などは各自治体のルールによりますが、手順は一般的には以下の通りです。
閉眼供養が必要な場合は事前に済ませておきましょう。
仏壇のサイズ(高さ・幅・奥行き)を測る
↓
自治体の粗大ごみ処理手数料チケットを購入し、申し込みをする
↓
指定の場所へ持ち込む、または、集積所などで回収してもらう
費用の相場は500円~2,000円程度と比較的安く済みます。
ただし、ご自身で仏壇を運び出す必要があるため、大きな仏壇の場合は大変かもしれません。
また、回収に来てもらう場合、「近所の目が気になる」「家の前やごみ置き場に出すのは気がひける」と感じるかもしれませんので、慎重にご検討ください。
仏壇処分の流れは?処分の前にするべきこと
仏壇を処分するにあたって、忘れてはならないのが閉眼供養(へいがんくよう)です。
一般的に、仏壇を新しく購入するとご寺院に開眼供養(かいげんくよう)という魂を込める儀式をしてもらいます。
開眼供養については『開眼供養に必要な準備とは?御布施の表書きや当日の流れを解説』で詳しく説明しています。
開眼供養をされた仏壇を処分する際は必ず閉眼供養を行ない、仏壇から魂を抜いてもらう必要があります。
閉眼供養は菩提寺に直接依頼するのが一般的ですが、処分を頼む仏壇・仏具店や専門業者で閉眼供養の手配をしてくれる場合もありますので、ご確認いただくと良いでしょう。
仏壇を処分する際のおおまかな流れは以下のとおりです。
仏壇の開眼供養がされているかを確認する
↓
菩提寺に連絡する
閉眼供養や仏壇の処分について相談します。
↓
閉眼供養をする(必要な場合)
位牌や仏具も処分する場合はあわせて閉眼供養をしてもらいます。
↓
仏壇を引き取ってもらう
仏壇処分の際に注意する点
仏壇を処分される際には、ご注意いただきたい点が2つあります。
処分前に確認しておきましょう。
貴重品などが入っていないか確認する
仏壇を搬出する前は、引き出しや小物入れなどの収納スペースをすべて確認しましょう。
仏具、古い位牌、遺影などだけでなく、通帳、実印、現金などの貴重品が保管されていることがあります。
気づかずに処分に出してしまわないよう、実家で親が管理していた場合などは特によく確かめてください。
宗派の教理にあった方法で処分する
仏壇の処分に関する考え方やルールは、宗派によって大きく異なります。
仏教のほとんどの宗派では、仏壇も位牌も閉眼供養を行ないますが、中には位牌の閉眼供養は必要ないとするケースもあります。
たとえば浄土真宗の場合、閉眼供養を行なうことは基本的にありません。
というのも、浄土真宗では、人は亡くなった後すぐに仏様になるとする「臨終即往生」(りんじゅうそくおうじょう)という考えがあり、仏壇に故人様の魂が宿るとは考えられていないからです。
ただし、閉眼供養の代わりにご法要を行ないます。
このご法要は遷座法要(せんざほうよう)(または遷仏法要・せんぶつほうよう)と呼ばれ、文字通り、ご本尊の鎮座している場所を遷(うつ)すというものです。
また、創価学会の仏壇は特殊で一般的な仏具店では引き取ってもらえないことが多いため、創価学会専門の仏具店を探す必要があります。
専門業者や自治体に依頼して仏壇を処分した場合でも、仏具やご本尊は創価学会の地区会館などに引き取ってもらうことが多いようです。
処分を検討される場合は、事前に地区会館へご相談されると良いでしょう。
ここでは浄土真宗と創価学会を例に挙げましたが、仏壇の処分は宗派の教理によって異なるという点にご注意ください。
まとめ
今回は、仏壇の処分方法および処分する際の注意点について解説しました。
ご先祖や故人様を祀って日々のご供養を行なってきた仏壇は、閉眼供養を終えても最後まで丁寧に扱いたいものです。
各処分方法のメリット・デメリットをふまえてご家族でよく話し合い、最適な処分方法を選んでいただければ幸いです。
平安祭典では、各種ご相談を承っています。
神戸・阪神間でお困りごとがございましたら、平安祭典(0120-00-3242)まで気兼ねなくご相談ください。