へいあんオフィシャルブログ メモリアル・ノート
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葬儀

湯灌とは?湯灌を行なう意味・流れ・費用などまとめて解説

湯灌の浴槽

公開日:2022年12月5日

ご葬儀の前には、「湯灌(ゆかん)」という儀式が行なわれることが多いです。
とはいえ、湯灌は実際に何をするのかご存じない方も多いでしょう。

そこで当記事では、湯灌の意味、流れ、費用などを解説します。

ご葬儀をされる際の参考として、お読みいただけますと幸いです。

 

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湯灌とは?死化粧やエンバーミングとの違いは?

それではまず、湯灌とはどのような儀式なのかを解説します。
死化粧やエンバーミングとの違いも見ていきましょう。

湯灌は故人様の身体や精神を清める儀式

湯灌は故人様の身体を清める儀式

湯灌とは、故人様の身体を清める儀式で、納棺に際して行なうものです。
ぬるま湯で身体や頭髪を洗浄してご遺体を清潔にするだけでなく、この世の穢れ(けがれ)、痛み、苦しみを拭き清め、来世への旅支度を整える意味もあります。
生まれたての赤ちゃんがつかる産湯には、身体を清めるとともに、この世での健やかな発育を願うという意味があります。
湯灌にも同じように、現世での穢れを洗い清め、よりよい来世に生まれ変わるようにという願いが込められています。
※病院などでは「エンゼルケア(死後処置の総称)」が行なわれますが、湯灌とは全く違うものなので、混同されないようご注意ください。

昔は習慣としてご遺族が湯灌を行なっていましたが、昨今は葬儀社のスタッフや、専門のスタッフ(湯灌師)が行なうことがほとんどです

2008年に公開され多くの賞を受賞した映画『おくりびと』の影響から、湯灌師を目指す方も増えています。
湯灌師に聞くと、映画を鑑賞されたご遺族から「あなたたちがおくりびと?」とお声かけいただくことも増えたそうです。

ちなみに、湯灌は必ずしも必要な儀式ではありません。
病院でのエンゼルケアによって表面上はご遺体を綺麗に保つこともできますが、宗教儀式を重視される場合や、ご遺族が故人様の死を受け入れる区切りとするために、湯灌を行なうことが一般的です。

死化粧やエンバーミングとはどう違う?

湯灌と死化粧、エンバーミングは、それぞれ違うものですので、違いを確認しておきましょう。

死化粧の様子

・ 死化粧
故人様の髪を整え、お化粧を施すことです。
故人様のお顔を生前に近い印象になるよう、美しく整えることで、エンゼルメイクともいいます。
死化粧については、『納棺とは?儀式の流れ・服装・費用をまとめて解説』の中でも解説しています。

・ エンバーミング
ご遺体を長期保存するための技術で、「遺体衛生保全」とも呼ばれます。
ご遺体の消毒・殺菌・防腐処置や必要に応じて修復することで、およそ10~14日の常温保存を可能にします。
エンバーミングについては、『エンバーミングとは?必要なケース・手順・費用相場について』で詳しく解説しています。

湯灌の流れについて

湯灌は、次のような流れで行なわれます。会館で行なうにせよ、ご自宅で行なうにせよ、基本的な流れは同じです。

湯灌の流れ
① 浴槽の準備
会館で湯灌を行なう場合は、会館内の湯灌設備がある部屋で浴槽の準備をします
ご自宅で湯灌を行なう場合は、湯灌師が専用の浴槽を持ってご自宅を訪問し、準備を行ないます。

② 故人様へのマッサージ
硬直をほぐすように、手首・肘・肩など関節を中心にマッサージします。

③ 故人様の移動
儀式の前には、故人様を浴槽まで移動させます。
移動の際は、肌を見せないよう布がかけられます。

④ 口上
湯灌師から、湯灌の儀式についての説明が行なわれます。

⑤ 逆さ水の儀
故人様の身体をお湯で清めます。
ご遺族が逆さ水の儀に立ち会う場合は、交代で足元から胸元へお湯をかけていきます
お湯の温度は約36~40度前後と、湯灌を行なう業者などによって差があるものの、通常のお風呂よりやや低めに設定されています。

⑥ 顔と髭のお手入れ
洗髪・洗顔・顔剃りといったお手入れが行なわれ、完了した後は顔を拭いて髪を乾燥させます。

⑦ 全身のお清め
シャワーで全身を洗い清めます。

⑧ 死装束への着替えと死化粧
仏教では浄土への旅支度として、故人様に死装束を着せることが一般的です。
全身白の仏衣などを左前にあわせて着せ、笠、袈裟、杖、手甲、脚絆、白足袋、草鞋、頭陀袋などを着けます。
死装束ではなく、故人様の想い入れのある服にされる方もいらっしゃいますが、いずれにせよお着替えは、湯灌や納棺の際に行なわれることが一般的です。

なお、上記した8つの工程のうち、どこまでが湯灌の料金に含まれるかは業者によって異なります。事前に確認しておきましょう。
 

湯灌の逆さ水とは?

逆さ水

逆さ水とは、故人様を清めるために使うぬるま湯のことです。
通常、ぬるま湯が必要な場合は、熱いお湯に水を加えて温度を調整しますが、湯灌に使うぬるま湯は水に熱湯を足して温度を調整するため、「逆さ水」と呼ばれます。

また、故人様にお湯をかける柄杓(ひしゃく)を左手で持つ「逆さ手」という風習もあります。
物事を普段と逆の手順で行なうことで、「死」を非日常的なものとする考え方に由来するそうです。
 

湯灌にかかる費用はどれくらい?

湯灌の費用とは?

湯灌にかかる費用は、業者によって異なります。
従って、「湯灌の費用は〇〇円くらい」と一概には言い切れません。

一例として平安祭典の湯灌料金を挙げると、77,000円(税込)です。
この金額が相場というわけではありませんが、参考までにご確認ください。
 

平服?喪服?湯灌の際の服装

湯灌時の服装は?

湯灌に立ち会う際の服装は、基本的に平服でかまいません
ただし、お通夜までに時間がない場合や、すでに喪服を着ている場合は、喪服のままでかまいません。
平服に着替える必要はありませんので、そのままの服装でお立ち会いください。

また、立ち会う範囲に決まりはありませんが、第二親等までのご親族が立ち会うことが一般的です。
 

まとめ

湯灌

当記事では、湯灌について解説しました。
湯灌を行なう意味、流れ、費用など、ご不明な点は解決したでしょうか?

故人様を清める場面に立ち会うことで、ご遺族も故人様の死を受け入れるための区切りになることでしょう。

湯灌を含めてご葬儀に関するお困りごとがございましたら、平安祭典(0120-00-3242)まで気兼ねなくご連絡ください。