副葬品とは?棺の中に入れることができるもの・できないもの
公開日:2021年11月8日
納棺の際には、故人様が愛用されていた品々を棺に納めますが、これらの品々を
「副葬品」と呼びます。皆さまは、副葬品を棺に納める際に、いくつかのルールが存在することをご存知でしょうか。
今回は、副葬品として棺の中に納めることができるもの、納めることができないもの、さらに棺に納めたいとご要望があったもの、お客様に喜んでいただいた副葬品についてご説明します。
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副葬品として納めることができるもの
副葬品として納めることができるのは、基本的に燃やすことができるものです。
ちなみに、副葬品としてよく選ばれているものは、故人様への想いをしたためた手紙、故人様が身に付けられていた衣類や小物、大切にされていたものなどです。
副葬品として納めることができないもの
副葬品として納めることができないものは、燃えないもの、燃えるのに時間がかかるものです。
その他にも火葬場のルールとして、燃やす時に有害物質が発生するものや、火葬炉を傷めるものは副葬品として納めることができません。
・ 金属製品、ガラス製品
これらは燃え残りやすく、溶けたものがご遺骨や火葬炉に付着し傷つけることがあります。
・ プラスチック製品、ビニール製品
これらを燃やすと有害物質が発生したり、化学反応を起こし、ご遺骨に影響を与えることがあります。
・ 分厚い書籍など
ページ数の多い書籍やアルバムなどは、燃えるのに時間がかかるため避けましょう。
・ 大きな果物など
大きな果物など水分が多く大きいものは、不完全燃焼を引き起こす可能性が高くなります。
・ 納骨せずに自宅で祭っていたご遺骨やペットの骨
故人様以外のご遺骨は、例えペットのものであっても副葬品として納めることができません。
・ 衣類(着物、スーツなど)
衣類を大量に入れると、不完全燃焼が起こりやすく灰の量も増えるため、1~2着にします。
化学繊維やビニールなどは、燃やすと有害物質が出るため避けましょう。
燃えない装飾品は事前に外しておきます。毛布も不可です。
・ 革製品、肉、魚などの食品関係
革製品は、燃えずにそのまま残ることもあるため、納めることができません。また、殺生の観点から、肉や魚など食品関係をお断りすることもあります。
・ 存命の方(特に身内以外)が写っている写真
写っている人が一緒にあの世に連れていかれるという言い伝えがあります。
ご本人が気にされなければ問題ないですが、身内以外が写っている場合は避けた方が無難でしょう。
・ メガネ、補聴器など
火葬場の規制や、ご遺骨がきれいに残らないというリスクがあります。
「これがないとおばあちゃんが困る」などと言われることも多く、とても心苦しいですが、あの世は迷いや苦しみのある現世とは異なり、そういったお困りごとはない世界と言われていますのでご安心ください。
・ ペースメーカー
こちらは副葬品ではありませんが、体内にペースメーカーを装着されている場合には、必ず事前に申告してください。
火葬の際に爆発する恐れがあり、大変危険です。
また、副葬品を極力入れないことで、ご遺骨がきれいに残りやすくなります。どうしても納めてあげたいものだけにすると良いでしょう。
棺に納めたいとご要望があったもの
以下は、実際に棺に納めたいとご要望があったものです。
注意点も併せてご説明しますので、参考にしてください。
① 故人様の嗜好品
・ 酒、ビール
→缶や瓶は燃えないので中身を注ぐ、あるいは紙パックのものを使用します。
※副葬品用の木製のビール瓶などもあります
・ タバコ
→ライターは不可のため、マッチと共に納めます。
・ ぬいぐるみ
→ぬいぐるみは、大きなものは不完全燃焼の恐れがあります。
・ 釣り竿、ゴルフクラブ
→カーボン製は、火葬炉の故障を引き起こす可能性があり、棺の中に入れることができません。
※副葬品用の木製のゴルフクラブなどもあります
・ 競馬新聞、ゴルフウエア、帽子、スカーフ
② 故人様の遺作(作品)、コレクション
・ 絵画、写真(風景)、折り紙
・ 写経、朱印帳
・ おいづる(西国三十三所巡礼用白衣)
③ 故人様が使用されていたもの(ないと困るもの)
・ 杖(木製)、入れ歯
→入れ歯を口に入れるのが難しい場合は、足元などに納めます。
・ メガネ
→メガネはご葬儀までかけて、出棺前のお別れ時に外すと良いでしょう。
※副葬品用の木製のメガネなどもあります
④ 故人様が仕事で使用されていたもの
・ 作業服、手帳、専門職の道具
副葬品として納めることができるもの、納めることができないものは、地域や火葬場によって異なります。葬儀社にご確認ください。
お客様に喜んでいただいた副葬品
最後に、平安祭典からのご提案で、お客様に喜んでいただいた副葬品の事例をご紹介いたします。
・ 担当者が作成したオセロ、将棋、マイク(全て紙製)
→そのものは納めることができないので、担当者が紙で作ってお渡ししたことがあります。
お客様はとても喜んでくださり、私共も大変励みになりました。
・ 木製の将棋の駒
→盤は不可なため、駒を副葬品として納めることをご提案しました。
・ 革製カバンを写真に撮り印刷したもの
→革製のカバンを写真に撮り、紙に印刷しました。
・ 食べ物
→少量であれば小さく切ってお納めできます。
・ 色紙
→皆さまに寄せ書きをしていただきました。
・ 自宅の古い木製の表札
→家族のために自宅を築いてくれた証として納めました。
このように、本来は棺の中に納めることができないものも、工夫次第で納めることができるケースがあります。まずは、葬儀社にご相談ください。
また、棺の中に納めてあげられなかった故人様の愛用品を、別の形でご供養することも可能です。
平安祭典では、専用の袋に遺品を納めていただき、回収してご寺院にご供養していただく有料サービスをご案内しております。
エンディングノートにご希望が記されていることも
いかがだったでしょうか? 副葬品として棺の中に納めるものについては、故人様が生前に残されたエンディングノートなどに、ご希望を記されていることもあります。
その場合は、可能な限り、故人様の願いを叶えてあげられると良いですね。
エンディングノートについては『エンディングノートとは?書き方やメリット・デメリットについて』の記事で詳しくご説明しております。
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平安祭典(0120-00-3242)にご相談ください。