へいあんオフィシャルブログ メモリアル・ノート
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葬儀

霊柩車とは?寝台車との違い・車種・手配の方法を解説

霊柩車と従業員

公開日:2022年6月27日

霊柩車は、ご遺体を乗せて運ぶ車ということをご存知の方は多いでしょう。
とはいえ、霊柩車にはどんな種類があるのかなど、よく分からないことも多くありませんか?

当記事では、霊柩車の種類、霊柩車と寝台車の違い、霊柩車の利用料金や手配の方法など、霊柩車について気になる点を分かりやすく解説いたします。

 

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霊柩車とはどんな車?

霊柩車

霊柩車とは、ご葬儀を執り行なう会館から火葬場まで、故人様をお運びするための車です。
かつて土葬が一般的だった時代は、人の手でご遺体を運んでいました。
ご遺体を柩(座棺)に納めて担いでいましたが、やがて大八車(だいはちぐるま)のような台車で運ぶようになり、大正時代には宗教的装飾が施された霊柩車が登場したようです。

霊柩車と一般車を比べると荷室部分に大きな違いがあり、霊柩車の荷室部分は柩専用の仕様になっています。
レールやローラーで柩がスムーズに出し入れでき、走行中に柩が動かないよう固定できる点が特徴です。

霊柩車の中

それではここから、霊柩車の種類や運転に必要な免許証の種類について見ていきましょう。

火葬については『火葬とは?火葬の意味・流れ・所要時間・費用をまとめて解説』『火葬許可証って何?火葬場での服装は?火葬の手続き・マナー』の記事で詳しくご紹介しております。

車種は中型~大型・タイプは大きく分けて4種類

霊柩車の車種には、セダンやバンなどの中型〜大型車が多く使われています。
種類を大きく分けると、宮型(輿型)、洋型(リムジン型)、バス型、バン型の4種あり、それぞれ以下のような特徴を持ちます。

・ 宮型(輿型)宮型
宮型とは、日本建築独特の唐破風(からはふ)や豪華な彫り物、金箔などが施された車両です。
かつては柩を神輿のようにかついで運んでいたという、歴史の名残を感じる形状が大きな特徴と言えるでしょう。

・ 洋型(リムジン型)     洋型
洋型とは、大型外車や国産高級車をベースに使った霊柩車で、外観はシンプルで高級感があります。
外装にレザーなどを使い、装飾されていることが多いです。
以前は宮型の霊柩車が主流でしたが、近年は洋型が主流になっています。

・ バス型バス型
バス型は、マイクロバスのような霊柩車を思い浮かべていただくと分かりやすいでしょう。
後部に柩を納める空間があるほか、喪主や参列者が一緒に移動できる点が特徴です。

・ バン型           バン型
バン型は、バンやワゴンをベースにした霊柩車で、多くは黒や白の車両です。
外観は一般車のままなので、一見しただけでは霊柩車とは分からず目立ちません。
簡素な外観で寝台車として使われることもあります。


ちなみに4種類ある霊柩車のうち、「宮型霊柩車」の数は以下のような理由で年々減少しています。

宮型霊柩車

・ 近隣住民への配慮
遠くからでも目立ち、すぐに霊柩車と分かる見た目は死を連想させることから、敬遠されがちです。
そのため、一目で霊柩車と分かる車両が使用できない自治体(兵庫県加古川市など)もあります。

・ 制作・購入・維持のコスト
ひとつひとつが専門の職人による手作業で作られているため、宮型霊柩車の価格は通常の霊柩車の2〜3倍と言われます。
細かな細工が施されているため、メンテナンスに専門技術が必要で、車両の維持も容易ではありません。

・ 宗旨による違い
仏式・神式には使用できますが、その他の宗旨にはそぐいません。

・ 車両の安全基準厳格化
車両の安全基準が厳格化されたことで、突起が多い宮型は安全基準を満たしにくくなりました。

・ 洋型霊柩車の流行
昭和天皇崩御の際に洋型が使用され、洋型の霊柩車を希望される方が増えました。

 

緑色の8ナンバーで普通自動車第一種運転免許が必要

霊柩車は緑ナンバー

霊柩車のナンバープレートは、緑色の8ナンバー(800番台の特種用途自動車ナンバー)です。
ご遺体は法律上では貨物という扱いになるため、霊柩運送は「一般貨物自動車運送事業」にあたり、貨物を運ぶ営業車両には緑色のナンバープレートがつきます。
また、霊柩車はメーカー生産車に特殊部品や装置を付けた架装車両にあたるため、ナンバーは特殊な車両に使用される8ナンバーです。
一般的な霊柩車は普通自動車第一種運転免許で運転可能ですが、10名以上の参列者を乗せるバス型の霊柩車は旅客運送にあたるため、運転には中型自動車第二種運転免許が必要です。

 

霊柩車と寝台車はどう違う?

霊柩車と寝台車

霊柩車と寝台車の違いは、「どこからどこへご遺体を運ぶか」という点です。

・ 霊柩車
ご遺体を安置している場所から火葬場へ運ぶ

・ 寝台車
故人様がお亡くなりなった場所(病院など)からご遺体を安置する場所(会館など)へ運ぶ

お迎えに行く場所(病院など)への配慮から、寝台車の外観は一般車両と変わりありません。
構造的にも少し違いがあり、霊柩車の荷室は柩用にローラーレールがついています。
一方の寝台車の荷室は、ストレッチャーの車輪が動きやすいよう平らです。
また、双方の機能を備えている車両もあります。

 

霊柩車の利用料金・手配の方法について

霊柩車の料金

続いては、霊柩車の利用料金や手配の方法について解説します。

利用料金は車種と走行距離で決まる

霊柩車の利用料金は、車種と走行距離によって決められています。
葬儀社などが霊柩車でご遺体を運ぶには国の許可が必要で、国土交通省に届出を行ない、適正であると認められた料金が適用されます。
霊柩車の車庫から起算して、ご遺体を運ぶ場所までの走行距離に応じた料金が適用されるため、無償でのご遺体搬送は違法です。

とはいえ、霊柩車の利用料金は、ご葬儀のプラン内に含まれていることが多いです。平安祭典でも、多くのプランに霊柩車が含まれています。
ご参考までに、平安祭典の霊柩車の利用料金は以下の通りです。

一般:55,000円(税込)
会員:49,500円(税込)

 

葬儀社を通じた手配が一般的

葬儀社へ手配を

霊柩車の手配は、葬儀社を通じて行なわれるのが一般的です。
近年、洋型霊柩車が主流となったため、霊柩車を所有する葬儀社が増えました。
葬儀社が霊柩車を保有していればその霊柩車を使用し、保有していなければ葬儀社から専門業者に手配します。
ご遺族が霊柩車を手配する必要はありませんので、安心して葬儀社へお任せください。

 

霊柩車の前で親指を隠すのはなぜ

親指を隠す

それでは最後に、霊柩車にまつわる迷信をご紹介します。
霊柩車にまつわる迷信はいくつありますが、「霊柩車を見たら親指を隠す」という迷信をご存知の方は多いのではないでしょうか。
親指を隠す理由としては、以下のような言い伝えがあります。

・ 親の死に目に会えなくなる
・ 親が早死にする
・ 親族に不幸がある

親指と親をかけて、親に良くないことが起こらないよう、親指を隠す行為につながったのかもしれません。
また、次のような理由もあります。

・ 親指の爪の間から霊が入る
古来より人間の親指には魂の出入口があるといった伝承があり、死者の霊魂が入らないよう、親指を隠し自らを守るというものです。

いずれにしても、死を穢れとする日本の文化をあらわす民間伝承といえます。
宮型に代表される霊柩車のイメージも、洋型が主流となることで、少しずつ変わってくるかもしれません。

 

まとめ

霊柩車と出棺の様子

当記事では霊柩車について、車種や手配方法から民間伝承までをご紹介しました。
もし霊柩車に関してご不明な点などがございましたら、平安祭典(0120-00-3242)まで気兼ねなくお問い合わせください。