へいあんオフィシャルブログ メモリアル・ノート
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マナー・知識

玉串・献花とは?玉串奉奠と献花の作法を解説

玉串奉奠・献花

公開日:2022年2月14日

皆さまはご葬儀に参列した際に、玉串奉奠や献花をしたご経験をお持ちでしょうか?
どちらも参列者が行なう故人様とのお別れの儀式で、仏式の「焼香」にあたるものが、神式では「玉串奉奠」、キリスト教式では「献花」です。

とはいえ、「玉串って何だろう?」「玉串奉奠や献花の作法が分からない」という方は多いかもしれません。
そこで当記事では、玉串を捧げる意味や、玉串奉奠と献花の具体的な作法を解説します。

焼香に関しては『正しい焼香のやり方とは?回数や作法(マナー)を解説』の記事で詳しくご紹介しております。

 

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玉串とは?

玉串盆に乗った玉串

玉串とは、榊の枝に紙垂(しで)と呼ばれる紙、または木綿(ゆう/楮こうぞを原料とした布)をつけたものです。
神道の行事や儀式において、斎主や参列者が神前に供えます。
神様のお食事としてお供えする御神饌(ごしんせん/米や酒、塩、魚など)と同じ位置づけです。

玉串の由来は、日本の神話にさかのぼります。
『古事記』の天岩戸のくだりで、お隠れになった天照大神のお出ましを願い、神々は榊に玉や鏡をつけて捧げました。
この話に由来するといわれる玉串は、古来より神様が宿る依代ともされ、神様と人とをつなぐ橋渡しとしての役目も持つといいます。

ちなみに、玉串は榊の枝で作られることがほとんどです。
神棚の両脇にお祀りしてある緑の葉がついた枝をご覧になったことがあるかと思いますが、あれが榊です。
榊は木偏に神と書く通り、神道行事には欠かません。

榊の語源には諸説ありますが、常に緑が生い茂り栄える木=「栄木(さかき)」、また神様の世とこの世の境の木=「境い木(さかいき)」が転じたという説が有力です。玉串イラスト
榊は古くから生命力と繁栄の象徴とされてきました。
その榊につける紙垂とは、ギザギザに折られた白い紙のことです。
紙垂には「神聖」「清浄」の意味があり、これをつけることで、榊の枝が神様の依代(神霊がよりつくもの)としての意味を持ちます。
神社の注連縄(しめなわ)や、神職の持つ祓串(はらえぐし)に紙垂がついているのも、そういった理由からです。

※諸説ありますが、紙垂は白い紙を交互に割くことで無限大を表すとされ、神様の力を一片ずつの紙に宿すものといわれています。

 

玉串奉奠の流れ

玉串奉奠

神道の儀式のなかで、玉串を神前に供えることを玉串奉奠といいます。
玉串奉奠は玉串を奉奠する儀式のことです。
「奉奠」という漢字の意味を見ていただくと、分かりやすいかもしれません。

「奉」=たてまつる、恭しく(うやうやしく)差し上げる
「奠」=神仏などへの供え物、供物

神事の手引書『神社祭式同行事作法解説』(神社本庁編)によると、「玉串は神に敬意を表し、神威を受けるために祈念をこめて捧げるもの」だそうです。
そのため、玉串奉奠はご葬儀だけでなく、結婚式や地鎮祭、お宮参りなどの祈祷の際にも行なわれます。
慶弔に関わらず行なわれる重要な作法ですので、流れを把握しておかれると役に立つかもしれません。

ご葬儀の場合、一般的には式の終盤に案内されることが多く、斎主が玉串奉奠を行なった後に喪主、続いてご遺族・ご親族、一般の参列者と、故人様と関係性の深い順に行ないます。

玉串奉奠の作法(ご遺族の場合の一例)

玉串を持つ手

① 式場の皆様の方を向き会釈をします。玉串を受け取り、軽く一礼をします。

② 玉串案(台)の手前まで進み、神前に一礼をします。枝先が神前に向くように玉串を右回りに90度回転させます。

③ その後、玉串を垂直に立てて祈念をします。

④ 枝元が神前に向くように右回りで回転させ、玉串案(台)に静かに捧げます。

⑤ 祭壇に向かい二礼二拍手一礼(二拝二拍手一拝)をします。そして、一歩下がり式場の皆様の方を向き、会釈をして席に戻ります。
なお、この時の拍手は音を立てない「しのび手」で行ないます。

一般的にはこのような作法で行なわれますが、宗旨・宗派によって作法が異なる場合もあります。
気になる場合は確認されると良いでしょう。

玉串の手順

 

献花の流れ

献花を持つ手

「献花」は海外の葬儀ではあまり行なわれない日本独自の慣習で、キリスト教式のご葬儀の場合、カトリック・プロテスタントのどちらでも行なわれます。

献花の作法(ご遺族の場合の一例)

① 式場の皆様の方を向き会釈をします。献花を受け取り、軽く一礼をします。

② 献花台の手前まで進み、献花を胸元まで引き寄せ、心をこめて祈念をします。

③ 献花を持ち替え、茎が霊前に向くようにします。

④ 献花台に静かに捧げます。そして祭壇に向かい黙祷を捧げ、礼拝をします。

⑤ そして、一歩下がり式場の皆様の方を向き、会釈をして席に戻ります。

※上記の作法は一例です

献花の手順

キリスト教では「死」に対する考え方が仏教や神道とは異なり、死は穢れや縁起が悪いことではなく、神の元へ召される祝福すべきこととされています。
死は命の終わりではなく、永遠の命の始まりで、故人様への「献花」はその門出に捧げるものなのです。

 

まとめ

玉串と献花

当記事では、玉串や玉串奉奠、献花についてご紹介しました。
大まかな流れを掴んでおけば落ち着いて対応できると思いますが、心を込めて行なうことが何より大切ではないでしょうか。

平安祭典では、神式やキリスト教式の葬儀のご相談もお受けしています。
お困りごとやお悩みがありましたら、ご遠慮なく平安祭典(0120-00-3242)までご連絡ください。