へいあんオフィシャルブログ メモリアル・ノート
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現役葬祭ディレクターに聞いた勉強法!合格のポイントは?

葬儀概論

更新日:2024年2月27日  公開日:2023年3月6日

葬祭業界で働く方の中には、「葬祭ディレクターの資格取得に挑戦しよう」とお考えの方も多いでしょう。
しかし、試験に向けた勉強法や試験の難易度がわからず、不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで当記事では、葬祭ディレクターを目指していらっしゃる方のために、試験の概要について解説します。

また、平安祭典に所属する1級葬祭ディレクターにヒアリングを行ない、勉強法や試験の難易度、試験場でのよくある失敗もご紹介します。

葬祭ディレクターの資格取得に向けて、当記事がお役に立てば幸いです。

平安祭典には2023年12月現在で77名の1級葬祭ディレクターが在籍しています。
今回は以下の4名にヒアリングを実施しました。

・神戸平安祭典:稲森 裕之
・阪神平安祭典:宮崎 勝己

・阪神平安祭典:青野 正典
・西神平安祭典:後藤 雅史

葬祭ディレクターの仕事内容などについては、『葬祭ディレクターとは?現役のディレクターに仕事内容を聞きました』にまとめておりますので、ぜひ併せてご覧ください。

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葬祭ディレクターの資格を取るには

葬祭ディレクターの資格を取るには、葬祭ディレクター技能審査協会が実施する葬祭ディレクター技能審査に合格する必要があります。
葬祭ディレクターの等級には1級と2級があり、どちらも受験資格として葬祭実務経験が必須です。

試験は毎年9月頃に、1年に1回のみ実施されます。

開催の詳細は、厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査のホームページにてご確認ください。

葬祭実務経験を証明するには、在籍している会社に「葬祭業務実務経験年数証明書」を発行してもらい、提出しなくてはなりません。
在籍していた会社の廃業など、やむを得ない理由で証明書を発行できない場合は、年金事務所などの窓口で発行している「被保険者記録照会回答票」で代用可能です。

なお、葬祭ディレクター技能審査の内容は3つあり、次のような試験が行なわれます。

 

・ 学科試験
ご葬儀に関する知識について、意味も含めて正確に理解しているかを審査します。関連する知識として、一般常識・宗教・法律・公衆衛生など、幅広い分野から出題されます。

学科試験の様子

 

・実技試験
ご葬儀の施行に関する技能を審査します。
式場設営の基本能力を審査する「幕張(まくはり)」、ご葬儀における司会進行や言い回しを審査する「司会」、ご葬儀に関する応接能力(礼儀作法や、ご遺族のお気持ちを汲み取るなど)を審査する「接遇」が試験内容です。

実技試験の様子

 

・実技筆記
葬祭ディレクターとしての実践面における理解力を筆記で審査します。
正しい言葉づかいや、ご遺族からの質問やクレームなどに対して適切な対応ができるかを判定します。

実技筆記の様子

以上が葬祭ディレクター技能審査の概要ですが、1級と2級によって試験内容に差があります。

ここからは、等級別の試験内容を見ていきましょう。

葬祭ディレクター1級の試験内容

葬祭ディレクター1級のカード

葬祭ディレクター1級の試験内容は、次の通りです。
1級取得には、個人葬から大型葬まですべてのご葬儀に対応可能な知識と技能が求められます。
そのため、2級より学科試験の出題数が多く、回答時間も長めです。

参考までに、2021年の合格率は63.4%でした。

学科試験:正誤判定問題50問、多肢選択問題50問の合計100問。解答時間は50分間。
実技試験:幕張(制限時間7分間)
実技試験:接遇(制限時間2分間)
実技試験:司会(制限時間6分間)
実技筆記試験:出題は60問で、回答時間は30分間。

葬祭ディレクター2級の試験内容

葬祭ディレクター2級のカード

葬祭ディレクター2級の試験内容は、次の通りです。
2級では個人葬に関する知識や技能に関する試験が行なわれ、1級に比べると学科試験の出題数が少なく、回答時間は短めです。

2021年の合格率は69.6%でした。

学科試験:正誤判定問題25問、多肢選択問題25問の合計50問。解答時間は30分間。
実技試験:幕張(制限時間7分間)
実技試験:接遇(制限時間2分間)
実技試験:司会(制限時間4分間)
実技筆記試験: 出題は60問で、回答時間は30分間。

※試験の概要、1級と2級の試験内容は、厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査のホームページの内容をもとに作成しています。

それでは続いての項目から、現役の葬祭ディレクターにヒアリングした内容をもとに、勉強法や試験の難易度について解説していきます。
 

葬祭ディレクターになるための勉強法

試験勉強

平安祭典の1級葬祭ディレクターに、資格取得に向けた勉強法を聞いてみました。
葬祭ディレクターを目指すきっかけについても聞いておりますので、参考になさってください。

Q.
どのような方法で勉強しましたか?

A.
学科は『葬儀概論』という書籍を読んで内容を把握し、過去問を繰り返し解いていました
幕張に関しては、ストップウォッチを持って繰り返し練習しました。
1級にせよ2級にせよ基本は同じで、反復が大切だと思います。(後藤)

※過去問は葬祭ディレクター技能審査(参考書・問題集の紹介)から注文可能です。

勉強方法

Q.
何か月くらい試験勉強をしましたか?

A.
試験前の3か月くらいです。
平均すると3か月くらいの人が多いと思いますが、早い人で半年前から勉強を始めます。
いずれにせよ、試験1か月前には仕上げておくことが大切です。(稲森)

Q.
葬祭ディレクター技能審査を受験しようと思ったきっかけは?

A.
お客様に接する中で資格の有無で安心感や信頼度が変わることを実感し、資格を持つ先輩の姿を見て「自分もああなりたい」と感じたことが大きなきっかけです。
また、平安祭典には「5年以上勤務したら1級葬祭ディレクターを取得してもらおう」という考えがあることも、きっかけの1つです。(後藤)

 

試験場の雰囲気や試験の流れは?

試験会場の雰囲気

続いては、試験場の雰囲気や試験の流れについて質問してみました。

Q.
実技試験の会場はどんな場所ですか?

A.
全国で同じ日に同じ内容で試験を行ないますが、試験会場は地域によって違います
関西圏は京都の会場で、京都市勧業館(みやこめっせ)など、イベントホールのような場所が使用されます。(青野)

※年によって会場は変わります。

Q.
受験されている方は多かったですか?

A.
年によって差はあると思いますが、私が受験した年は200~300人いたと思います。(青野)

Q.
実技試験はどのような流れで行なわれますか?

A.
実技試験のうち、司会と幕張は2人の審査員の前で行ないます。
幕張の場合、受験者は「このテーブルにこういった幕張を何分で行なう」など、ある程度の指定があります
また、司会では当日に割り当てられたコメントや指定の順番を守る必要があります。(式自体は毎年同じため、過去問を見ることで予習できますが、読みあげるお名前などは当日問題用紙が配られるまではわかりません。)
先に司会、後で幕張など、受験番号によって試験の順番が違い、多少の待ち時間も発生します。(青野)

Q.合格通知イラスト
合格・不合格はどのようにわかりますか?

A.
試験の2か月後に合格者のみ郵送で通知されます
不合格の場合は通知がありません。(宮崎)

 

試験を受けて難しいと感じた?

葬祭ディレクター技能審査の難易度についても質問しました。

Q.
実際の試験は難しいのでしょうか?

A.
総合的にみると難しいが、それまでしっかりと勉強できていれば困難な試験ではありません。(稲森)

先輩から教えてもらえない葬儀社に勤務していると、難しいかもしれません。
試験内容としては地域性の強い問題はなく、全国的に共通する内容の問題が出ます。(青野)

学科は過去問を全て覚えて勉強していれば、7割くらいは正解できます。(大きく広く勉強することも必要)
また、学科には宗教的な知識なども必要なので、実務経験だけでは合格が難しいかもしれません。(勉強しないと難しい)(後藤)

 

経験者からのアドバイス!試験場でのよくある失敗に注意

次に、試験場でのよくある失敗についても質問してみました。

Q.
試験場で(注意した方が良い)よくある失敗はありますか?

A.
実技に関しては、練習しすぎて試験当日に緊張の糸が切れてしまう人がいます。
逆に、緊張し過ぎで司会の流れを飛ばす人もいます。
すぐ隣で受験生が同じ試験をしているため、隣のペースに惑わされないことも大切です。
とにかく会場の緊張感がすごいので、緊張に負けないように心を強く持ちましょう
あとは、広い会場内で落ち着いて場所を把握することも大切です。
会場内で迷ってしまい、試験開始直前に息を切らせて到着する人がいました。(宮崎)

 

葬祭ディレクターを目指す方へのアドバイス

葬祭ディレクターからのアドバイス

最後に、葬祭ディレクターを目指す方へのアドバイスをもらいました。

Q.
これから葬祭ディレクターを目指す方へアドバイスはありますか?

A.
ご葬儀の業務を行なうにあたって、自分のスキルが上がりますし、知識も豊富になります。
また、知識がついてスキルが上がるため、お客様に適切なアドバイスができます。(稲森)

名刺に肩書が入るのでお客様の信頼が上がり、ご葬儀の相談がスムーズになります。(後藤)

自分のためにもなるし、お客様のためにもなるため、やりがいが出てきます。
資格取得で得た知識や技能は、実務に活かせることがほとんどです。(青野)

今後はディレクターの資格が必要不可欠なものになると思います。
ご葬儀のプロとして働く以上は、ぜひ取得しておくべき資格です。(宮崎)

 

まとめ

葬祭ディレクターへの質問は平安祭典まで

当記事では、葬祭ディレクター技能審査の内容、合格するための勉強法、試験の難易度、試験場でのよくある失敗をご紹介しました。
当記事をご覧になった方が、晴れて葬祭ディレクター技能審査に合格されることを願っております。

ご葬儀についてお困りごとがあればぜひ平安祭典(0120-00-3242)までお問い合わせください。