忌中・喪中の期間はいつまで?期間中にやってはいけないことは?
公開日:2023年11月6日
ご家族やご親戚など近親者を亡くした後は、生活の中で「忌中」や「喪中」という言葉を意識する機会が増えます。
しかし、「忌中と喪中はどう違うのかよくわからない」という方は多いかもしれません。
当記事では、忌中と喪中の違い、それぞれの期間中に控えるべきことについて解説します。
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忌中と喪中とは?喪中と忌中の違いは?
忌中(きちゅう)と喪中(もちゅう)はいずれも故人様を偲んで過ごす期間という意味では同じですが、意味合いや期間が異なります。
忌中は、故人様のご逝去から忌明け法要(四十九日法要)までの期間を指します。
喪中は、忌中を含めて亡くなった方を偲ぶ期間であり、一般的には一周忌法要までの約1年間とされています(※1)。
それぞれの期間中にやってはいけないことや、配慮すべき事柄には違いがあるため注意が必要です。
それでは、忌中と喪中の意味について詳しく解説します。
(※1)喪中に関しては、故人様との関係性により期間が異なる場合があります。
明治7年の太政官布告により「服忌令」(ぶっきりょう)が出され、故人様が配偶者や父母の場合は13か月、子どもの場合は3~12か月、祖父母なら3~6か月、兄弟姉妹なら1~6か月という具体的な喪中の期間が定められました。
この布告自体は昭和22年に撤廃されましたが、現在も喪中の期間を考える際の基準とされることがあるのでご注意ください。
忌中は故人様が冥途で旅をする期間
忌中とは、仏式において一般的に命日から忌明け法要(四十九日法要)が終わるまでの期間です。
この間、ご遺族は故人様の死を悼み、慶事など晴れがましいことは避け、身を慎んで過ごします。
忌中が四十九日間である理由は、仏教の教えによります。
仏教では人が亡くなると、その魂は冥途(めいど)と呼ばれる死者の世界へ行き、7日ごとに生前の行ないに対する裁きを受け、最後の7回目の裁きで行き先が決定するとされています。
この裁きを待つ期間、ご遺族は故人様を偲ぶとともに、無事に極楽浄土へ旅立てることを願って追善供養を行なうのです。
四十九日間の忌中が終わること、または終えた日を「忌明け」と呼びます。
その際に行なう法要が忌明け法要(四十九日法要)であり、忌が明ける区切りの法要として特に大切に考えられています。
忌明けについて詳しくは『忌明けとは?忌明けにすること・準備やその後について』をお読みください。
なお、忌中と関連して「忌引き」という言葉があります。
忌引きや忌引き休暇とは、ご親族が亡くなり喪に服するために職場や学校を休むことです。
その間に葬儀の準備・後片付け、各種手続きなども行ないます。
忌引きの日数は故人様との続柄によって変わり、一般的には以下が目安です。
※会社や学校により規定は異なります
・配偶者…7~10日間
・父親・母親…5~7日間
・子ども…5~7日間
・祖父・祖母…3~5日間
・兄弟…3~5日間
喪中は故人様を偲ぶ期間
喪中とは、一般的に一周忌法要までの約1年間を指します。
「喪」の意味は、人の死後、その親族が一定の期間、外出や社交的な行動を避けて身を慎むことです。
喪に服す期間が喪中であり、忌中に引き続き故人様を偲び、身を慎んで過ごします。
日常生活を送る中でも、おめでたい席や晴れやかなシーンへの関わり方には配慮が必要です。
忌中と喪中にやってはいけないことは?
忌中・喪中には、具体的にどのような行動を控えるべきなのでしょうか。
忌中は慶事や祭典は避けるべきとされ、喪中も忌中に引き続き慶事や祭典は避けることが基本です。
忌中に比べ、喪中の間は柔軟に考えて良い部分が増えますので、以下の内容を参考にしてください。
忌中にやってはいけないこと
忌中にやってはいけないことは、次の通りです。
■ 結婚式・結納を行なう
結婚式や結納を行なうのは、避けた方が良いとされています。
しかし、すでに日程が決まっているなど事情がある場合は、予定どおりに行なうか延期するかを両家で相談して決めると良いでしょう。
結婚式に招待された場合は先方に忌中であることを伝えて相談しましょう。
先方に了承していただければ、出席しても構わないと考えられています。
■ 神社にお参りする
神社へのお参りは、控えるべきとされています。
神道では忌中は死の穢れがあると考えられているからです。
仏教では神道とは考え方が異なるため、お寺へのお参りやお墓参りはしても問題ありません。
■ 新年を祝う
鏡餅、門松、しめ縄などの正月飾りやお節料理・お屠蘇などは準備せず、普段どおりに過ごします。
「おめでとうございます」という新年の挨拶、神社への初詣は控え、年賀状ではなく事前に喪中はがき(年賀欠礼状)を出します。
お子様やお孫様へのお年玉については、派手なポチ袋ではなく無地の封筒などを用意し、「おこづかい」として渡してあげても良いでしょう。
■ お祝い事をする
お祝い事は控えるべきではあるものの、例えば、成人式は一生に一度の大切なイベントです。
成人式に出席するかどうかは、ご本人とご家族でよく相談して決めると良いでしょう。
上記の他には、忌中は以下のこともできるだけ避けたほうが良いとされています。
・ 引越し、家の新築・改築を行なう
・ 旅行や、お祭り・スポーツ・飲み会などに参加する
喪中にやってはいけないこと
喪中にやってはいけないことは、次の通りです。
■ 結婚式・結納を行なう
喪中の間も、結婚式や結納を行なうことはなるべく避けたほうが良いとされています。
事情に応じて両家で相談して決めると良いでしょう。
結婚式への出席は、喪中でも問題ありません。
■ 神社にお参りする
神社へのお参りは避けるべきとされています。
■ 新年を祝う
新年を祝うための正月飾り、お節料理、初詣、新年の挨拶、年賀状などは控えるべきとされています。
お年玉については忌中と同様、おこづかいとして渡してあげると良いでしょう。
■ お祝い事をする
お祝い事は控えるべきではあるものの、成人式など大切なイベントについてはご本人とご家族でよく相談して決めると良いでしょう。
成人式が忌中にあたり出席を控えた場合、忌明け後に写真撮影だけ行なう方もいるようです。
また、七五三などを内々でお祝いするのは差しつかえないでしょう。
忌中に引き続き、喪中も華やかなイベント(お祭り・スポーツ・飲み会)や旅行はできれば避けたほうが良いとされています。
しかし、仕事の関係や周囲とのお付き合いのうえで必要なこともあるかもしれません。
状況に応じて参加するか(実施するか)を判断されると良いでしょう。
喪中はがきの出し方について
忌中・喪中は新年の挨拶としての年賀状は控え、喪中はがき(年賀欠礼状)を準備します。
喪中はがきは、遅くとも12月上旬には届くように送ります。
12月に入ってから近親者が亡くなった場合は、喪中はがきの準備が間に合わないこともあります。
その際は、届いた年賀状に対し、1月7日を過ぎてから「寒中見舞い」として故人様が亡くなられたことをお知らせしましょう。
喪中はがきを出す場合、近親者のどこまでを喪中とするのかは難しいところですが、一般的な範囲は以下の通りです。
■ ほとんどの人が喪中とする続柄
父母・子ども 義父・義母 兄弟・姉妹
■ 喪中にする人としない人がいる続柄
祖父母 義兄弟・義姉妹
■ ほとんどの人は喪中にしない続柄
祖祖父母 叔父・叔母 伯父・伯母 従兄弟
あくまで参考ですので、ご自身と故人様とのつながりの深さや偲ぶ気持ちの強さに応じて、喪中とするかどうかを決められても問題ありません。
喪中はがきは、年賀状のやりとりをしている方を中心に送りますが、仕事の関係者には例年どおりに年賀状を出すケースが増えています。
ご葬儀に参列してくださった方など、喪中であることをご存じの方にも、改めて喪中はがきを出しましょう。
なお、喪中はがきと関連して「お中元やお歳暮は贈っても良いのだろうか?」という疑問を持たれるかもしれません。
お中元やお歳暮は日頃の感謝の気持ちを表すものなので、忌中・喪中でも贈って差しつかえありません。
ただし、のし・水引きは避け、白短冊のほうが無難とされています。
まとめ
今回は忌中・喪中の意味とその期間中に控えるべきことを解説しました。
忌中・喪中の過ごし方に関しては知っておくべきしきたりやルールがあります。
しかし、大切なのはあくまでも故人様を偲ぶ気持ちです。
どうすれば良いか迷った時は、ご自身の気持ちを大切に、ご家族やご親戚とよく話し合って決められてはいかがでしょうか。
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