遺品整理とは?行なうタイミング(時期)や手順・注意点について
公開日:2021年11月1日
ご葬儀が終わった後も、様々な手続きや相続に関する話し合いなど、ご遺族にはすべきことがたくさんあります。
その中でも、ご遺族を悩ませるのが「遺品整理」と「形見分け」です。
大切な方の愛用していた品々を片付ける作業は、想像以上に大変なものです。
今回は、遺品整理と形見分けについて、行なうタイミングや手順、注意点などをご説明します。
[@目次@]
遺品整理とは?形見分けとは?
「遺品整理」とは、生前使用されていた物や想い出の品など、故人様が残された品物(遺品)を整理することです。
品物は、家財道具、衣類、写真や手紙、通帳や財産価値のある品など、多岐に渡ります。これらの品々を、残しておく物、処分する物などに分けていきます。
また、遺品整理の際に、故人様が愛用されていた品物を、ご親族や故人様と親交の深かった方々に贈ることを「形見分け」と言います。
遺品整理・形見分けのタイミング
遺品整理を行なう時期は、特に決まりがありません。
賃貸住宅の契約などといった事情がある場合を除き、ご遺族の気持ちが落ち着かれた時に、それぞれのタイミングで始めてください。
形見分けは、故人様が亡くなってから四十九日、ご親族が集まられた忌明け法要の後に行なわれる方が多いようです。
とりわけ相続される金品が多い場合には、相続トラブルを避けるため、遺品整理や形見分けは遺産分割を終えた後に行なうケースが多いようです。
遺品整理・形見分けにおける注意点
ご遺族が遺品整理・形見分けを行なわれる際の注意点をご紹介します。
① 遺言書やエンディングノートを確認する
遺品整理を始める前に、遺言書やエンディングノートの有無を確認しましょう。
遺言書には法的効力があるため、その内容に従って遺品整理を行ないます。
また、エンディングノートに、形見分けについて記載されている場合がありますが、エンディングノートには法的効力はありません。
ご遺族の間でよく話し合い、できる限り故人様の意思を尊重したいものです。
とはいえ、どなたに贈る場合でも相手の負担にならないように、事前に相談をして無理強いはしないようにしましょう。
エンディングノートについては『エンディングノートとは?書き方やメリット・デメリットについて』遺言書については『遺言書の種類や作成のポイント!効力のある書き方を解説』の記事で詳しくご説明しております。
② 財産価値のある品物に注意する
遺品の中には、相続の対象になる、財産価値のある品が含まれることもあります。
勝手に処分したり、形見分けすれば、トラブルになる可能性も否定できません。
特に高価な品を形見分けする場合、形見分けをした相手に贈与税が課せられるケースもあります。
必要に応じて、税理士や弁護士にご相談ください。
③ 形見分けの際、相手のことを考えて品を選ぶ

形見分けする品物は、受け取る相手に合った品物を選ぶように心がけましょう。
例えば、コレクション類は価値の分かる方に贈ると喜ばれます。
故人様が愛用していた時計や文具、衣類などが形見分けの品物として選ばれますが、原則使用できる物を贈ります。
状態が悪い場合は、メンテナンスやクリーニングをしておきましょう。
プレゼントではないため、包装は必要ありません。小物は半紙などに包んで渡します。
ちなみに、最近では、終活の一環として「生前整理」も注目されており、亡くなる前に形見分けを行なうこともあります。
④ 故人様の目上の方には形見分けは行なわない
形見分けはマナーとして目上の方には贈りませんが、目上の方からご希望があった場合は贈ると良いでしょう。
形見分けをいただいた場合は、返礼品は特に必要ありません。お礼状を書く程度に留めておきましょう。
遺品整理の手順
遺品整理の手順についてご説明しましょう。
まず遺品を ① 必要な物、② 不要な物、③ 迷っている物、④ 保管・保存する物に分け、各々を整理・処分していきます。
① 必要な物
現金・通帳(届出印)、クレジットカード、権利書、パスポート、年金手帳、有価証券、健康保険証、生命保険証、貴金属類などが該当します。
これらの遺品を整理するには、法的な手続きが必要となります。手続きの期限が設定されている場合もあるため、優先的に処理しましょう。
また、パソコン、タブレット、スマートフォンなどのデジタル遺品は、そのままにしておくと、不必要な料金が発生することがあります。
更新手続きや契約解除など、必要に応じて早めに手続きを進めましょう。
同様にSNSやWEBサービスのログインIDやパスワードは、契約者本人以外が知ることはできないため注意しましょう。
生前に予め契約内容を確認したり、パスワードを記して安全な場所に保管してもらうなど、事前に準備しておきたいところです。
② 不要な物
資産価値がある物とない物に分けます。資産価値がある物は、リユース(買取)業者に依頼して、現金化することもできます。
特に必要ない場合は、廃棄処分しましょう。
③ 迷っている物
迷っている遺品は、廃棄処分を前提として検討しますが、後々後悔しないためにも時間をかけて少しずつ処分していきます。
④ 保管・保存する物
写真やアルバム、故人様が身に付けていた物、大切にしていた物など、故人様の想いがこもった品々は、故人様を偲ぶものとして保管してもよいでしょう。
写真などはデータで保存し直すと、かさばらず、気軽に見直すこともできます。
平安祭典では、故人様の家財道具などの整理を行なう専門業者のご案内をしております。
また、遺品整理の過程で、捨てるに忍びない物や想い出の品々を、まとめてご供養する有料サービスも行なっています。
専用の袋に遺品を入れていただければ、スタッフが回収し、ご寺院できちんとご供養します。
遺品整理に疲れた場合は、一度立ち止まる
遺品整理は、手続きに期限があったり時間のかかる物、手続きを行なわなければ費用がかさむような物については、優先的に処理しましょう。
ただし、それ以外に関しては、遺品整理に疲れた時には一旦片付けをストップしたり作業順番を見直すなど、ご遺族のペースで進めてください。
お一人で抱え込まず、ご遺族の皆さまと相談しながら行なうことも大切です。
体力的や精神的にも厳しい時は、近所の方々や故人様と繋がりのある方、遺品整理の専門業者に依頼するといった方法もあります。
神戸・阪神間で、遺品整理や形見分けなどのご相談がございましたら、
平安祭典(0120-00-3242)までご連絡ください。