弔辞の意味と読み方・マナー

ご葬儀で弔辞を依頼された場合、どのように準備し、どのように読めばよいか迷う方も多いでしょう。

当記事では、弔辞の意味、基本的な構成や書き方、読み方の所作まで、弔辞に関する決まりやマナーを解説します。

弔辞とは

それではまず、弔辞とはどのようなものか、そして誰が読むのかについて解説します。

弔電や弔事との違いも踏まえて、基本的な意味を確認しておきましょう。

弔辞の意味


弔辞(ちょうじ)とは、ご葬儀の場で故人様に贈るお別れの言葉です。

故人様との思い出や感謝の気持ち、生前の功績などを述べるもので、心を込めた最後のお手紙のようなものだと言えるでしょう。

 

一般的なご葬儀で弔辞が読まれる機会は多くありませんが、社葬や合同葬など、比較的規模の大きなご葬儀では読まれることが多いです。

また、宗教色を抑えた自由葬では、形式にとらわれず、親しかった方が弔辞を述べるケースも見受けられます。

 

なお、同音異義語の弔事は、ご葬儀や法要といった弔いに関する一連の行事を指し、弔電は弔いの意を伝えるためにご遺族へ送る電報のことです。

いずれも弔辞と混同されやすい言葉ですが、弔辞は「言葉を読み上げて直接気持ちを伝える」ものだと考えれば良いでしょう。

弔辞は誰が読むのか


「弔辞を誰が読むか」については、明確な決まりがありません。

一般的には、ご遺族が故人様と縁の深かった方へ依頼し、その依頼を受けた方が弔辞を読み上げます。

故人様の親友、恩師、上司や部下、学生時代の同級生などが選ばれることが多く、故人様の人柄や人生の歩みがわかるような言葉が求められます。

※弔辞の依頼を受けた場合は、辞退せず誠意をもって引き受けることが礼儀です。

 

自由葬やお別れ会では、1〜3名が弔辞を述べることが一般的です。

一方、社葬や合同葬など規模の大きな葬儀では、会社関係者・知人・親族などから最大5名程度が弔辞を読むケースもあります。

弔辞の書式・マナー

弔辞には、基本的な構成や書式、マナーがあります。

弔辞を読む際にはマナー違反になることがないよう、よく確認しておきましょう。

持ち時間は2~5分・文字数は約1,000字前後


弔辞を読む際の持ち時間は、1人あたり2~5分程度が目安とされています。

複数人が弔辞を読むこともあるため、ご葬儀の進行に影響しないよう、簡潔にまとめることが大切です。

 

読み上げにかかる時間から逆算すると、文字数はおおよそ1,000字前後になります。

あまりに短いと心がこもっていない印象を与える一方で、長すぎると聞き手の負担になる場合があるためご注意ください。

故人様との関係性や伝えたい内容を整理し、気持ちが伝わる文章を適度な分量でまとめるよう心がけましょう。

 

関連記事:【弔辞の例文集】故人様へ贈る言葉をパターン別にご紹介

弔辞の基本的な構成


弔辞は、「出だし」「主題」「結び」の三部構成が基本です。

それぞれ以下のような意味を持ちます。

 

■出だし

故人様への呼びかけに始まり、訃報に接した際の驚きや悲しみの気持ちを述べます。

例:「○○様の突然の訃報に接し、言葉もありません。」など

 

■主題

故人様との思い出や印象に残るエピソード、故人様の人柄や功績、伝えたかった言葉などを中心に綴ります。

参列者が共感しやすいよう、故人様との関係性が伝わるような具体的な内容にすると良いでしょう。

 

■結び

故人様への最後の言葉やご冥福を祈る気持ち、ご遺族へのお悔やみの言葉を添えて締めくくります。

簡潔かつ心のこもった言葉で終えると良いでしょう。

弔辞の書き方


弔辞を書く際には、大判の巻紙や奉書紙を用意し、毛筆と薄墨を使用して筆記します。

略式の場合は、便箋に筆ペンで書くことも可能です。

 

巻紙を用いる場合は、冒頭に10センチほどの余白を設けてから書き始めます。

奉書紙の場合は、用紙1枚に全文が収まるよう、文字量や文字の大きさを調整しましょう。

 

書き方に関するその他のルールは次の通りです。

 

・1行目の中央に「弔辞」と記す

・2行目から本文を始める(書き始めや改行の際も1字下げない)

・句読点は使わず、読みやすさを考慮して1文字分の空白を適宜入れる

・本文の後に日付、肩書、氏名を1行ずつ記す

 

書き終えたら、表面に「弔辞」と書いた紙で丁寧に包みましょう。

忌み言葉は使用しない


弔辞では、「忌み言葉」(いみことば)と呼ばれる表現を避けることがマナーです。

忌み言葉は不幸を連想させたり、繰り返しの不幸を暗示させるため、ご遺族を傷つける恐れがあるためです。

 

特に避けるべき表現としては、以下のようなものがあります。

 

■死や不幸を連想させる言葉

死亡、死去、急死、逝く、絶える、消える、落ちる、苦しむ、悲痛、痛恨など

 

■重ね言葉

またまた、たびたび、重ね重ね、再び、再度、繰り返し、続いて、いよいよ、いっそう、次々など

 

■宗旨(宗教)別の禁忌表現

・浄土真宗:「冥福を祈る」という表現は使いません

・神式:「成仏」「供養」などの仏教的な表現を避けます

・キリスト教式:仏教的な表現だけでなく、「お悔み」や「冥福」なども避けます

弔辞のたたみ方(巻紙・奉書紙の折り方)


弔辞を書き終えたら、丁寧にたたんで包みます。

巻紙と奉書紙では折り方が異なるため、それぞれに応じた手順をご確認ください。

 

■巻紙の折り方

文末から約10センチの幅で巻き始め、内側に向かって丁寧に巻き折りにします。

折り目が歪まないよう、整った形に仕上げるのが基本です。

 

■奉書紙の折り方

まずは左から半分に折ります。

次に三つに屏風折り(山折り・谷折りを交互に)し、最後は縦に二つ折りにしてください。

弔辞の包み方(奉書紙での包み方)


弔辞は、たたんだ状態のまま奉書紙で包み、外側に「弔辞」と書き添えます。

以下のように包むと丁寧な印象になります。

 

・奉書紙を幅の半分に切り取り包み紙として使用する

・弔辞を三つ折りにして、奉書紙で左が前になるよう包む

※右が前に来る折り方は慶事に用いられるため避けます

・包みの表には縦書きで「弔辞」と記す

※筆や筆ペンで記入するのが望ましいですが、黒のペンでも構いません

ご葬儀の会場では、このように包んだ状態で係の方に預けます。

弔辞の読み方

弔辞は、ご葬儀の中で読経や焼香などの儀式が一区切りついた後に読まれることが一般的です。

弔辞の流れは以下の通りです。

 

1.司会者に名前を呼ばれたら立ち上がって祭壇の前へ進む

2.ご寺院やご遺族の方に一礼した後、霊前に向き直ってもう一度一礼する

3.弔辞の包みを丁寧に開き中身を取り出して所定の台や盆に置く(台や盆がない場合は懐に収める)

4.左手で弔辞を持ち右手を添えて開く

5.両手で目の高さに捧げ持ち落ち着いた声で弔辞を読み上げる

6.読み終えたら弔辞を包みに戻し、表書きを霊前へ向けて盆や台に置く(そのまま持ち帰ることもある)

7.最後に霊前へ一礼し、ご寺院、ご遺族の方にも一礼して席に戻る

 

弔辞の後には弔電が紹介される流れが多く、ご遺族や参列者が故人様との別れを深く感じる大切な時間となります。

心を込めてゆっくりと読み上げ、所作も一つひとつ丁寧に行ないましょう。

へいあん知恵袋
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