数珠の種類と選び方・持ち方

ご葬儀に参列する際、数珠を持参することは基本的なマナーのひとつです。
当記事では、数珠の種類や選び方、正しい持ち方や参列時の注意点について解説します。
初めて数珠を準備される方や、マナーを再確認したい方の参考になれば幸いです。

数珠の種類

数珠にはさまざまな種類があり、使用する場面や宗派によって形状や珠の数が異なります。
ご葬儀に参列する際は、宗派に合わせた「本式数珠」を用意するか、宗派を問わず使える「略式数珠」を選ぶことが一般的です。

本式数珠:宗派ごとの正式な数珠


本式数珠とは、各宗派で定められた正式な形式の数珠です。
珠の数は108個と決まっており、煩悩の数を意味しています。
そのため二重にして使う形が基本で、見た目も厳かで格式の高い数珠です。

 

本式数珠は正式な場にふさわしいとされており、特に自身が信仰する宗派が明確な場合に用いられます。
ただし、異なる宗派のご葬儀に参列する場合でも、ご自身の宗派の本式数珠を持参して差し支えありません。

略式数珠:宗派を問わず使える数珠


略式数珠は、宗派を問わず使用できる汎用的な数珠です。
珠の数は本式数珠よりも少なく、片手で持てるサイズのため「片手数珠」とも呼ばれます。宗派のしきたりにとらわれず使用できるため、初めて数珠を用意される方におすすめです。

腕輪念珠:ご葬儀では使用できない数珠


腕輪念珠とは、ブレスレットのように腕に付けるタイプの数珠です。
お守りとして日常的に身につけることが多く、カジュアルなアクセサリーの一種とされています。

 

ただし、腕輪念珠は正式な仏具ではないため、ご葬儀や法要などの仏事で使用することはマナー違反です。
参列時には、本式または略式の数珠を持参しましょう。

男女別の数珠の選び方

数珠には種類があるだけでなく、男性用・女性用がわかれており、珠の大きさや色合いも違います。
男性用は珠が大きく落ち着いた色味、女性用は小ぶりで柔らかな色味のものを選ばれる方が多いようです。

 

ここからは、性別ごとにどのような数珠を選ぶのが適切か解説します。

男性の数珠


男性の場合は、玉の大きさが10~12mmの数珠を選ぶことが一般的です。
素材や色に関しては、黒檀・縞黒檀・紫檀・オニキス・虎目石などが多く、黒〜濃茶の天然木やダーク系天然石が定番です。
房は紐房や頭付房など、長めでシンプルな形状が多く、色は紺・焦げ茶・黒など寒色系がよく選ばれます。

 

また、持ち運び用の「数珠袋」に関しても、男性用は黒や紺、グレーなどの落ち着いた色味でシンプルな無地や織柄が一般的です。

女性の数珠


女性の場合は、玉の大きさが6~8mmの数珠が主流です。
素材や色は、桜の木・本水晶・ローズクォーツ・白メノウ・ラベンダーアメジストなど、淡黄色の天然木や透明〜淡色系の石を用いた明るい印象のものが多く選ばれます。
房は正絹頭付房、華梵天房などを選ばれる方が多く、色は桜色・藤色・白など柔らかな暖色・中間色が主流です。

 

持ち運びの「数珠袋」は、紫や薄墨色などの柔らかい色調に、さりげない刺繍や小花柄が施されたものがよく選ばれます。

数珠の持ち方

数珠の種類によって持ち方は違います。
本式数珠・略式数珠それぞれの持ち方を確認していきましょう。

本式数珠の持ち方


本式数珠は宗旨・宗派ごとに形や珠の数が異なるだけでなく、持ち方にも違いがあります。
以下が合掌の際の宗旨・宗派ごとの持ち方です。

 

■浄土宗
二つの輪を揃えて両親指にかけ、房を手前に垂らします。

■真言宗
両中指にかけて、そのまま合掌します。

■浄土真宗本願寺派
数珠を二重にして両方の親指と人差し指ではさみ、房を下に垂らします。

■浄土真宗大谷派
数珠を二重にして親玉を上にします。
両方の親指と人差し指で数珠をはさんで手にかけ、房を左に垂らします。

■天台宗
人差し指と中指で数珠をはさんで手を合わせ、房を下に垂らします。

■日蓮宗
数珠を二重にして両中指ではさみ、房が三つある側を左の中指に、房が二つある側を右の中指にかけます。

■臨済宗
数珠を二重にして左手にかけ、房を下に垂らします。

■曹洞宗
数珠を二重にして左手にかけ、房を下に垂らします。

※上記は一例です。同じ宗旨でも派によって異なる場合がございます。

略式数珠の持ち方


略式数珠の場合は、宗派を問わず共通の持ち方で問題ありません。
基本の持ち方は次の通りです。

 

■基本の持ち方

・房(数珠の両端についている紐状の装飾部分)を下にして左手で持つ
※仏教において左手が不浄を表すとされているため
・着席しているときは左手首にかけておく
・焼香などで移動する場合は、左手の親指と人差し指の間にかけるように持ち替える(房が下にくるように持つ)

 

■焼香の際の持ち方

・左手に持ってひじから直角に曲げる
・左手を心臓のあたりで止め右手で焼香する

 

■合掌の際の持ち方

・左手の親指以外の4本の指にかけ右手を添えて合掌する
・数珠が長い場合は二連にして左手に持ったまま手を合わせるか、左右の中指に内側の一連だけをかけて合掌する

 

※焼香や合掌の作法を知りたい方はこちらをご覧ください。

数珠に関する注意点

数珠は単なる仏具ではなく、持ち主の念(祈りや想い)が宿るとされる大切なものです。
従って、数珠の貸し借りは避けるべきとされています。
忘れてしまった場合でも、他人から借りることはマナーに反します。

 

なお、数珠は仏事における礼儀として持参することが望ましいですが、必須ではありません。
万が一数珠を忘れてしまっても、焼香を控える必要はありません。

 

焼香の際には、姿勢や所作に心をこめて行なうことが何より大切です。
数珠を持っていなくても、故人様への気持ちが伝わるよう丁寧なふるまいを心がけましょう。

 

下記の記事では数珠の歴史やお手入れの方法などもご確認いただけます。
数珠についてより深く知りたい方は、ぜひご覧ください。

 

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